空蝉箱饅頭入り

饅頭怖いのでお持ち寄り下さい。

世界は悪で出来ている(SS

世界は悪で出来ている。故意にか不本意にか違いはあれど、他の物を虐げ、蹴落とし、潰し、糧として生きている。その生き様は必ずと言っていいほど悪となる。即ち、絶対的に正義は悪の中にしか存在しない。正義は、悪があってこそ虐げることが出来るためである。即ち、悪は行いそのものであるが、正義は悪の行いを肯定したものなのだ。




昔話をしようか。そこには世界が怖いと恐れる少年がいた。その少年は、世界に飲み込まれる自分の弱さに絶望していた。
そこに神様が現れたんだ。神は少年に手を差し伸べた。

「お前にもこの世界の在り方が分からないのか。残念だが、私にも分からない。
そうだな、私は国に捨てられた。だが、その時にこの2名に救われたのだ。今更1名減ろうと増えようと関係も無いことだろう。
だったら、この場に突っ伏すお前を見捨てられるものか」


「だから、私と共に探そう。この世界の意味を」

少年はその手を握ったんだ。その先には様々な冒険が待っていた。

そして元少年は、見つけたんだ。世界の美しさと、それを包む泥のような汚点を。


元少年は神に言った。共に世界を変えよう。この美しく、それ以上に汚いこの世界を。共に、誇れる世界にしよう。と。

少年がその時見た美しさを、今なお消えない輝きを、信じて。




「そして私達はこの場に揃った。貴様らには分かるか?。この気持ちが。この、自分の周りだけ、見える範囲だけでも誇りたいと思う意思を。笑うことは出来るのか!?

さぁ…決めよう。私の正義。お前たちの正義。どちらが世界を変えるか、その意志。私にみせつけてみろ!!

饅頭、参る!」








…ハハ…フハハハハ!!そうか!世界は!、また私を拒むというのか!

そうか、私は世界に負けるのだな。世界の意志に選ばれ…集まり、そして切磋琢磨した!お前たちに…


そこには、白い鞘の美しい、1本の刀が残されていた。








「そう…貴方達が…、その刀を使うのね…。あの時の少年が信じた意志の結晶…。そしてその刀の魔力で、コナタの結界を吹き飛ばした……

その刀は貴方達に味方した…、それが彼の意志…。だったらコナタが逃げ隠れする訳には行かないわね……」

「その輝きが待つのは、コナタの求める世界か…貴方達が守りたい世界か…。この場で全てを決めましょう……

貴方達の意志を、この私にみせつけなさい!!」








そう…また貴方たちの勝ち。少年の刀を使いこなし、己の武器として従えた、世界の意思。フフ…でも…これで楽になったわ……

貴方たちなら…その刀が認めた貴方たちになら…コナタたちの望みを、違う形で叶えてくれると信じられる……


さて…待っててくれてありがとう…今、迎えに行く、わ…


ある時を皮切りに、最期まで少年との因果に生きた神様。彼女は、黒き陽炎に飲み込まれていく。その場には、使い込まれた黒塗りの二挺拳銃が残されていた。
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  1. 2015/12/29(火) 19:53:41|
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